ボーイズタウンニュース「ボーイズタウンモデルが日本の児童福祉を変える」

2015年4月26日~5月3日まで、ネブラスカ州オマハのボーイズタウンで行われた研修がボーイズタウンニュースで紹介されました。

ボーイズタウンモデルが日本の児童福祉を変える(2015年6月10日付けボーイズタウンニュースより)

日本の子育て支援者および児童養護施設スタッフら30名が4月27日から5月1日までボーイズタウンモデルを用いて「難しい子どもに社会スキルを教えるトレーニング」を受けました。この研修に参加した日本人の多くが、以前から子どもや家族の関係改善を助ける方法を学ぶため、日本やアメリカにてボーイズタウンのトレーナーから直接トレーニングを受けています。

研修室の壁には、参加者がスキルや行動を「タスク分析」するアクティビティーで作成したポスターが貼られていました。このアクティビティーの目的は、豆まきや神社参拝、餅つき、銭湯の入り方など、日本人の子どもに学んでほしいアメリカにはないスキルや手順を発表し、研修で学んだボーイズタウンの技術を日本の文化に「カスタマイズ」させることでした。このアクティビティーで、彼らの持つ使命やボーイズタウンの持つ使命を改めて確認していました。

ボーイズタウン・シニアトレーニングコンサルタントのエヴァリン・ウィルソン女史が様々な援助方法を話し、リチャード久山牧師が一言一句漏らさず通訳をする中、参加者は集中して話を聞いていました。ウィルソン女史は日本とパートナーシップを組み始めた最初の頃から関わりがあり、ボーイズタウンの技術を伝えるためにたびたび日本を訪れています。

「日本とのプロジェクトに初めから関わっていますが、まるで円を描くようにこのプログラムが一周(循環)するところが見られて光栄です。文化に関係なく、子どもは子どもであり、行動は行動であることを強く裏付けました。どこにいっても子どもは子ども。同じような問題、心配、ニーズを抱えています。ボーイズタウンは今まで、世界中の児童保護に影響を与える素晴らしい機会を持ってきました。」とウィルソン女史は言いました。

第二次世界大戦後、フラナガン神父が児童福祉制度を見直すために訪れた国の一つが日本でした。日本の児童福祉の乏しい状況を目の当たりにし、支援を始めました。

「日本の多くの支援者が、日々の生活で助けが必要な家族を援助するために努力をしています。そしてボーイズタウンは、彼らが日本に持ち帰って現場で使えるように、必要なスキルを惜しみなく指導をしてくれます。これが日本において、彼らの活動の大きな助けになっています。」と久山牧師は話します。「子どもを強化し、年齢に関係なく問題解決の方法を教えることは日本に最も必要なことだと考えます。日本にいてもアメリカにいてもフラナガン神父と同じ夢を持ち、その夢を掲げながら子どもの支援を続けたいと思います。」

情緒短期治療施設である阪南福祉事業会「あゆみの丘」の副施設長を務める堀健一氏は、ボーイズタウンのプログラムを導入してから劇的な変化を体験しました。2002年に創立した同施設は、他の施設や里親プログラムに居られなくなった子どもたちを受け入れていました。当時、堀氏は他の日本の施設から学ぼうとしましたが、大きな成果は得られませんでした。つまり、日本にある既存の施設モデルを真似ようとしましたが、結果を出すことはできませんでした。

「日本では適切なガイドラインや知識がなく、子どもたちを助けることが難しかった」と堀氏は説明しました。「毎日、子どもたちは犯罪や暴力、性問題を起こして手がつけられない状態でした。現在日本では、6万人の子どもが援助を受けています。」

堀氏によると、彼の施設ではボーイズタウンから学んだことを実施するようになってから、問題行動の頻度や度合が以前の1/3に落ちたということ。最初の数年は問題行動の数は上下していたが、今では安定し、さらに減少しているということです。

「私たちの目標は子どもたちの問題行動を分析し、子どもが社会で成功するための方法を教えることです」と堀氏は話します。「子どもの問題行動が減ってくると、学力も倍に上がりました。社会でも成功し、就きたい職業に就けるようになりました。以前は毎年高校を中退する子どもがいましたが、今ではいません。職員も子どもを助けることに情熱を持って働いています。」

今日、ボーイズタウンの教えは日本の児童養護施設だけでなく、小学校から大学までの学校にも広がっており、ボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング®を授業に取り入れている大学が2つあるということです。

「日本と一緒になってボーイズタウンの使命や価値観を受け継いでいけることを光栄に思います」とボーイズタウン・ナショナルコミュニティーサポートサービス副社長のジム・グロス氏は話しました。「ボーイズタウンに来てくれた福祉関係の職員そして支援者の皆さん全員に、心からありがとうと伝えたい。」

ボーイズタウン・ナショナルコミュニティーサポートサービスは、ボーイズタウンモデルを活用する児童福祉職員が成功するための適切な援助ができるようにサポート体制をとっています。ボーイズタウンは、ボーイズタウンに所属する子どもや世界にいる助けの必要な子どもたちへの援助を続けながら、フラナガン神父の夢を今日も語り継いでいるのです。

原文:Boys Town Model® Makes Impact on Japanese Child Welfare